環境流体研

現在、セミナーおよび研究会は開催しておりません。

環境流体研究所のセミナーと研究会のお知らせ

流体力学の研究(特に環境問題に対する応用研究)を行っている本研究所に対して、コンサルタンツ各社から、セミナー・研究会の開催の要望が出されました。

このような要望の背景として、コンサルタントとして生き残っていくためには、数値解析の技術力を上げなくてはならないこと、国際競争力も視野に入れ、日本のコンサルタンツの技術力の底上げが急務である、といった危機感が考えられます。

そこで、土木及び環境における諸問題のうち以下のテーマで、開催することになりました。


本セミナー・研究会の目指すもの

内容概要
数値流体力学セミナー 差分法により、数値流体解析の基礎から応用までを修得する。
洪水流解析研究会 河川等の分合流及び橋脚等による流況の変化を解析するシミュレーションプログラムを作成。
河床変動解析研究会 構造物近傍の流れ及び河床の変動(局所流・局所洗掘)の解析プログラムを作成する。
密度、粘度差を持つ流れの解析研究会 湖沼等に河川等の流入がある場合を例にとって、湖沼内の泥の巻き上げを考慮したシミュレーションプログラムを作成する。
大気汚染(拡散)シミュレーション研究会 乱流モデルを用いて、実用的なシミュレーションプログラムを作成。定量的な把握が可能となることを目的とする。

数値流体力学セミナー

本セミナーでは、大学院および実務レベルで流体解析を行うために必要な基礎知識を修得し、差分法により実用的なプログラミングができるまでを目的とします。

  1. 差分法の基礎 (1次元拡散方程式の差分解法)
  2. 移流拡散方程式(基本的なシミュレーション+安定性)
  3. ラプラス・ポアソン方程式(連立1次方程式の反復解法)
  4. 非圧縮性流れの差分解法(流れ関数−渦度法、MAC系の解法)
  5. 複雑な領域の取り扱い(座標変換と格子生成法)
  6. 種々の応用

洪水流解析研究会

  1. 理論解析
    • 差分法を用いた3次元ナビエ・ストークス方程式による流れ解析
  2. プログラムの特徴
    • 3次元ナビエ・ストークス方程式を基礎方程式に用いているため、水深方向にも厳密に解析でき、水深方向に積分し た方程式では取り扱い不可能な水深方向の速度分布や圧力分布を求めることができる。
    • 3次元解析のため有限要素法を用いると計算時間がかかりすぎるため、数値解析法には計算時間が速くメモリも少なくて済む差分法を用いた。
    • 通常の矩形格子では境界形状が不正確に表現されるため、一般座標を応用した境界適合格子を用いることによりこの困難を克服した。
  3. プログラムの制約条件
    • 格子点は計算機の能力にもよるが100万点以下を想定している。しかし、それ以上取ることも可である。
    • 乱流に関しては、もっとも単純な渦粘性モデルを用いている。(他のモデルも追加は可能)
  4. 解析項目及び表現方法
    • 表示は静止画として流速ベクトル、水位図、格子図、等流速線図、水深図など、非定常現象の場合は動画も作成可能。
  5. 洗掘について
    • 3次元解析であるため、川底、川岸近くの流速場」から推定可能、河床変動プログラムを用いれば精度の高い計算可能。

河床変動解析研究会

  1. 解析理論
    • 水流解析による3次元流れ場の解析
    • 底の摩擦応力を求め、摩擦応力と土砂輸送間の関係式により、輸送土砂量を推定する。
    • 底のおける土砂の質量保存から川底形状を決定することにより流れ場の形が変化するため、上記を繰り返す。
  2. プログラムの特徴
    • 複雑で計算時間がかかることから、差分法を用いている。一般座標を用いた曲線格子であるため、河床形状が正確に表現できる。
  3. プログラムの制約条件
    • 洪水流とほぼ同じ、ただし計算時間は洪水流に比べ5倍程度必要になる。
    • 摩擦速度と土砂輸送の関係は、実験式等を用いている。
    • 土砂は川底を移動すると仮定している。(水中から堆積する分については考慮していない)
  4. 解析項目及び表現方法
    • 表現は洪水流に準ずる。
    • 洗掘について(洗掘は計算結果として直接得られる)。

密度 ・粘度差をもつ流れの解析研究会

本研究の最終目的は、河川が湖沼に流れ込むとき、湖沼内でおこる流れに関連した諸問題を数値シミュレーションにより解析することである。特に新しい点として、河川の流入による湖沼内の泥の巻き上がりまで考慮にいれた計算を行うことがあげられる。具体的には以下の方法で解析をすすめる。

  1. 実地の形状に合わせた領域で、2次元および3次元の非圧縮性流れの解析をナビエ・ストークス方程式を数値的に解くことにより行う。
  2. 計算時間で有利な差分法を用いて、3次元まで視野に入れる。
  3. 複雑な領域形状には、矩形格子にマスクをかける方法のほか、境界適合座標系や領域分割法も併用する。
  4. 河川と湖沼の温度差を考慮するため、ブジネスク近似による熱流体解析に拡張する。
  5. 泥水や泥の巻き上がりのシミュレーションでは、取り扱いがめんどうでいろいろな係数がでてくる混層流としてのアプローチはせず、泥水全体を一流体とみなし、泥の効果は密度差および粘性の差として取り扱うモデルを構築する。
  6. モデル構築の際には長方形や直方体領域でのテスト計算と必要があれば検証実験をおこなう。そのあと実地の形状での計算を行う。