環境流体研

基礎からの流体力学!

基礎からの流体力学!
定価\3,960(本体3,600+税10%)
ページ数
サイズ A5
著者 河村 哲也
付録 プログラムソース
発売 山海堂
ISBNコード 4-381-02195-9
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プログラムリストを 2007/5/23 に更新しました。CとVBA のソースが欠落しておりました。申し訳ありませんでした。


本書はコンピュータ環境科学ライブラリの中の1冊として,環境科学の物理学的な基礎となる流体力学について,理論的な面を中心にして,コンピュータによる解析法まで含めてわかりやすく著した本である.したがって,環境科学のみならず物理学,土木工学,機械工学等々,流体力学を必要とする読者にとって,流体力学の手ごろな教科書,参考書となることをも目指している.

流体力学の名著は多くあるが,筆者が感心したもののひとつにD.J.Tritton の Physical Fluid Dynamics がある.この本はともすれば数学的な解析が中心となる流体力学を,書名にもあるように物理学的な視点や解釈をもとに流体力学を見直した本であり,実験事実もふんだんに取り入れられている.邦書ではあまり例がなかった本であったため,広く一般に知ってもらう目的で以前に第2版を筆者が日本語に訳した(トリトン流体力学 上下,インデックス出版2002年).一方,トリトンの本は内容が豊富であるため,いきおいページ数が多く,また数学的な解析もきちんとされているが,それらがあちこちに分散されているきらいがある.したがって,流体力学の骨格をつかむには違った角度から見た本があってもよいと考えた.そこで,トリトンの本において数学的な内容を抜き出し,またいくつかの項目を加えて見通しをよくするとともに,数値流体力学に関する部分を付け加えたものが本書である.なお,トリトンの本にある回転流体や流れの安定性,乱流については内容が高度であるため,本書では取り扱っていない.その反面,トリトンの本にはほとんど記述のない圧縮性流れと数値流体力学の内容を取り入れている.

目次

  1. 流れ学の基礎
    1. 流体の静力学
    2. 流線と流管
    3. 流管内での流体の運動
    4. 保存法則の応用
  2. 完全流体の運動
    1. 連続の式
    2. ポテンシャル流れ
  3. 2次元ポテンシャル流れと関数論
    1. 流れ関数
    2. 循環と速度ポテンシャル
    3. 複素速度ポテンシャル
    4. 簡単な流れ
    5. 等角写像
  4. 運動方程式
    1. 運動量保存法則
    2. ベルヌーイの定理
    3. ブラジウスの公式
    4. ラグランジュ微分
    5. 渦に関する定理
    6. 水面の微小振幅波
  5. 粘性流体の運動
    1. 応力と変形速度
    2. ナビエ・ストークス方程式
    3. ナビエ・ストークス方程式の厳密解の例
  6. ナビエ・ストークス方程式の近似解
    1. レイノルズ数
    2. ストークス近似
    3. 境界層近似
  7. 熱流体
    1. エネルギー方程式
    2. 熱流体の基礎方程式
    3. ブジネスク近似
    4. 熱対流
  8. 高速気流
    1. 音波
    2. 非粘性圧縮性流体の定常流れ
    3. 1次元管内の流れ
    4. 衝撃波
    5. 2次元ポテンシャル流れ
  9. 数値流体力学
    1. 熱伝導問題
    2. ポテンシャル流れ
    3. 粘性流れ
    4. 自由対流
  10. 渦糸群の運動と渦糸近似法
    1. 2つの渦糸の運動
    2. 渦糸群の運動
    3. 境界のある流れ
    4. 渦糸近似法
  11. フラクショナル・ステップ法
    1. フラクショナル・ステップ法
    2. 複雑な形状の取り扱い方
    3. 細長い領域での解
  12. プログラム
    1. 2次元熱伝導方程式
    2. 円柱まわりのポテンシャル
    3. 円柱まわりの非定常流れ(流れ関数−渦度法)
    4. 2次元熱対流